青森旅行 #05│雪とアートとバスの記憶「青森県立美術館」

旅行

青森駅からスムーズに美術館へ向かうはずが全く違う方面のバスに乗車してしまい、一周したのち青森駅にまた戻ってきてしまいました。

行き先を確認しろと日頃から何回も自分に言い聞かせているのにやってしまいました。かなりのタイムロス。

しかも乗車したバスは後払い。Suicaも使えず現金のみ。
ちょうどの金額が手元になかったため、お釣りが出ないことを知らず小銭を多めに投入。

運転手には勢いよく「両替って書いてあるでしょうが!!」と怒られました。

旅先のローカルルールはなかなか難しいものです…(泣)

乗り間違えて振り出しの青森駅に戻されるだけではなく、バス運転手の心無い言葉。青森の凍える寒さ。これはだいぶメンタルにきました。

雪の降りも強くなってきてさらに追い打ちをかけます。それでも、ここまで来たのだからと気持ちを切り替え、美術館へ向かうことにしました。

経路を再検討。美術館行きのバスは40分後なのでバスを待つより電車で新青森駅へ行った後バスで美術館へ行くのが最短最速ルートだと分かりました。

かなりまどろっこしい経路になってしまいますが、電車で新青森駅に向かい、そこからバスで美術館へ向かうことにしました。

こんなの東京でもなかなかないのよ・・・

青森駅から新青森駅行きの電車に乗車。発車20分前から車内はすでにぎゅうぎゅうの寿司詰め。車両は2〜3両編成で、きゅんパスの観光客と地元の乗客が入り混じるカオス空間でした。

新青森駅で無事に(?)下車。

道路には雪の壁。青森駅よりもしっかり雪が残っていました。

東京から青森の地へ到着した場所へなぜかまた戻ってきてしまいましたがこれもまた思い出。

到着してすぐに来た美術館行きのバスもやっぱりぎゅうぎゅう詰め。

1時間に1本しか来ないならそりゃそうかと妙に納得しました。

ローカルスーパー…?

バスに揺られながら三内丸山遺跡で降りることも一瞬考えましたが、今回は青森県立美術館にしっかり時間を使いたいので先に美術館へ向かうことに。

バスの最終時刻を確認すると、三内丸山遺跡も経由しつつ最終便は17時頃。その時間までに美術館と三内丸山遺跡の2箇所は回れるだろうと頭の中で考えます。(のちに計画総崩れになりますが・・・笑)

ふだんは髪の毛結んでいるのでね。

早起きして青森に行くぞと気合を入れ髪を下ろしていましたが、公共交通機関に翻弄されるにつれて髪の毛がいよいよ邪魔になってきて結局途中でお団子にまとめました。結局いつもこうなるやつ。(笑)

電車とバスを乗り継ぎようやく青森県立美術館へ到着。真っ白な外観が雪に覆われていて、景色と建物が溶け込み一体感がありました。

洗練された館内の造りも美しく統一感があり見ごたえがあります。

最初に目に入ったのは、マルク・シャガールの絵画4点。

今まで美術館で見てきたどの作品よりもスケールが桁違いで、作品の前に立つだけでその迫力に圧倒されました。

青森県立美術館のシャガールがすごい理由は大きく3つ。

ひとつ目は、世界でもめずらしい「舞台背景」が4枚そろっていること。

バレエ『アレコ』のために描かれた背景画で、一般的なキャンバス作品とはまったく別物。舞台の後ろに吊るす巨大な絵が4枚セットで残っている場所は世界的にもかなり珍しいそうです。

ふたつ目は、とにかくサイズが大きいこと。

1枚あたり高さ約9メートル、横約15メートル。3階建ての建物ほどの高さに、横は大型バス並みというスケールで、もはや「壁いっぱいが絵」という感覚。専用のシャガールホールで展示されているのも納得です。

こういった広大なスペースを贅沢に使った展示は土地を潤沢に使える青森ならではですね。

みっつ目は、実際の舞台で使われた本物の美術作品であること。

1942年に上演されたバレエ『アレコ』のために描かれた背景画で、美術館のための作品ではなく、実際に舞台で使われていたという点でも貴重なんだとか。

もともとはアメリカのバレエで使われ、その後長く保管されていたものを日本の美術関係者が発見。巨大作品をそのまま展示できる環境が整っていた青森県立美術館に収蔵された、いわば世界を旅してたどり着いた作品なんです。

こういった発見されて青森にたどり着いた経緯も奇跡的で、いろんな人の努力や熱意があり今現在青森で大切に展示されているのだと思うと胸が熱くなりました。

シャガールの余韻を抱えたまま館内を進みます。

もうひとつのメイン展示である奈良美智さんの「あおもり犬」。

高さ約8.5メートルの真っ白な巨大作品です。

屋外に展示されており、上から覗くことも下に降りて間近で見ることもできる人気スポット。

入り口には「冬季期間のため閉鎖中」という注意書きがあったため鑑賞できないのかと残念に思いましたが、窓越しに対面できて感激でした。

雪の中に埋もれる「あおもり犬」も哀愁があって、実際にこの目で見られてよかったです。

奈良美智さんはほかの作品もかなり尖っていて心に刻みこまれました。

大きな目の女の子、少し不機嫌そうな表情、可愛いのにどこか不思議な空気感。

青森出身で世界的に評価されている理由が伝わってくる濃い展示内容でした。

青森県立美術館の建物自体もかなり特徴的で、地面を掘り込んだような構造に白い壁、迷路のように続く通路など…

歩いているだけで作品の中に入り込んでいくような感覚がありました。

係員の方に「ここにも作品がありますよ」と案内された先にあった作品。

子どもたちが監禁されているようないけないものを見ているような、そんな心がざわつく不思議な展示でした。

青森出身の版画家・棟方志功さんの作品も。

近くで見ると「こんな勢いで彫ったのか」と思うほどの迫力で、木に向かって感情を叩きつけているような感覚。青森県の自然の息吹を感じます。

太く勢いのある線、デフォルメされた人物表現、仏や神といったモチーフ。整った美しさというより、エネルギーや命の力をそのままぶつけてくるような作品たち。

神様や仏をテーマにしながらも、人間の命の強さや優しさがにじむ表現。

1956年のヴェネツィア・ビエンナーレで版画部門グランプリを受賞しており、日本の版画を世界に広めた存在というのも納得の作品でした。

美術館を早足でまわったつもりが気づけばもう16:30。

三内丸山遺跡が17時閉館ということを念頭に置いて、足早に美術館を退散。15分は回れるかな~と三内丸山遺跡に小走りで向かう途中で現在時刻が三内丸山遺跡の最終入場時間ぴったりなことに気づきました。

今から急いで行っても入場できないので泣く泣くバス停にUターン。スポット巡りはここでタイムアップ。

これなら美術館をもっとゆっくり回って閉館時間ぎりぎりまで作品をゆっくり楽しむべきだったと反省しました。

美術館から青森駅行き、新青森駅行きのバスは早くても16:50頃発。

人が青森にこんなにいるとは思わなんだ…

バス停には30人以上が長蛇の列。雪と風のふく悪天候の中いまかいまかとバスを待ち続けていました。

私のプランニングと判断力がお粗末なことも敗因です!!!

ひとつでも判断をミスするととたんにその後の予定が崩れる。旅行前にいろんな方から言われた「青森は交通の便が悪いよ」という言葉の本質。地方旅行をすることの難しさを実際に移動してみて改めて感じました。

施設はここまで整備されているのになぜこうなるのか…と思わずにはいられませんでした。きゅんパスの時期だけバスや電車を増便するのもきっと難しいんだろうな。

この待ち時間も無駄にしてはならぬとバスを待ちながらもスマホでこの青森旅やインスタ投稿の文章を作成。

こうしていると、あわただしかった青森旅の時間がもう一度ゆっくり整理されていく気がしました。

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